こんにちは!丘整骨院代表の坂口です!
今回はアトピー性皮膚炎のお話し。
アトピーで悩んでおられる方、本当に多いですね。
しかし、悩んでいる方が多いのにも関わらず、実はあまり原因が知られていないのも事実です。
小さい頃からアトピーで悩んでいる方ほど、実は詳しく原因の話をされていない事が多いんです。
なぜか。
小さい頃は難しい話が分からないという事で、単純に薬を処方されて終わってしまい、
そのままの流れで、大人になってからも治療が継続されるからです。
で、その事を患者本人も疑問に思う事なく、過ごしてしまうのです。
しかし、それでは、治りません。
原因をしっかりと把握して、適切に対処する事によって初めてアトピーは治るのです。
肝心のその原因ですが、日本皮膚科学会ガイドラインでは、
アトピー性皮膚炎は表皮、なかでも角層の異常に起因する皮膚の乾燥と
バリアー機能異常という皮膚の生理学的異常を伴い、多彩な非特異的刺激反応および
特異的アレルギー反応が関与して生じる。
とされています。難しく書いてありますねー。
大きな原因を挙げると二つあります。
アトピー素因と遺伝的要因です。
アトピー素因とは、
・家族歴・既往歴(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
・免疫グロブリンE(IgE)が高値の2つで、
遺伝的要因とは、フィラグリン遺伝子変異です。
日本人のアトピー性皮膚炎患者の約3割弱にフィラグリン遺伝子変異がみられるとされ、
フィラグリンとは角層のバリア機能の形成や水分保持といった機能の蛋白です。
では、アトピー性皮膚炎とは何なのか?
一般的に言われているのが、元々アレルギーを起こしやすいアトピー素因を持っていることと、
皮膚のバリア機能が低下する事でダニやハウスダスト、
細菌やカビなどに弱く小さな刺激でも皮膚が過剰反応し、
かゆみと炎症を伴うのがアトピー性皮膚炎です。
アトピー性皮膚炎は、厄介なことに一度治まっても再発したり、
また、良くなったり悪くなったりを繰り返し、日常生活にも影響が出てしまうことです。
一般的に、6カ月以上(赤ちゃんなどの乳幼児では2カ月以上)続くとアトピー性皮膚炎と判断されます。
また幼児期には食物アレルギーや気管支喘息を併発している場合が多くあります。
そして、アトピー性皮膚炎のかゆみのメカニズムに関わってくるのが肥満細胞です。
聞きなれない名前ですね。
肥満細胞は骨髄でつくられ、移動し、分裂を繰り返して成長します。
この肥満細胞は炎症部位だけでなく、ほぼすべての臓器に存在していて、特に皮膚に多く存在します。
肥満細胞はヒスタミン・ロイコトリエン・ヘパリンなどの好酸球の顆粒を持ち、
細胞表面にB細胞が反応してつくるIgE抗体のレセプターがあります。
その為、血中のIgE抗体は肥満細胞の表面のレセプターに結合し、抗原に対して敏感になります。
その抗原が体内に侵入すると、肥満細胞からヒスタミンが放出され、
このヒスタミンが血管に作用し、透過性を亢進させ粘膜を充血させることで、血管内皮を拡張させて、
かゆみを引き起こすのです。
さらにアレルギー反応を促進させてしまうのが、
アセチルコリンによって放出されるプロスタグランジンです。
この物質は血管を広げて、また知覚神経を敏感にして、
痛みや発熱を起こして炎症反応を強くします。
アトピー性皮膚炎の原因は、遺伝によるものだというのが今までの治療業界では一般的で、
アトピーと診断する際には、家族歴、既往歴、親がアトピー素因を持っているかを基準にしています。
ところが、最近では小児アトピーを経験してないのに、突然アトピーを発症する人が増えています。
その辺りの話はまた次回。